尖圭コンジローマの診断

 

診断は、主に臨床症状や所見（視診）によって可能です。

 

• 特徴: 病変は乳頭状や鶏冠状の外観を呈し、淡紅色ないし褐色で、時に大きくなることがあります。

• 好発部位（女性）: 大陰唇、小陰唇、会陰（えいん）、腟前庭（ちつぜんてい）、腟、子宮頸部、肛囲、肛門内、尿道口などです。

• 病変範囲を確定するために、コルポスコピーによる詳細な評価を行います。

• 確定診断: 局所麻酔下で組織診（生検）を行うことで確定診断します。

   

 

治療の選択肢：薬物療法と外科的療法

 
治療法は、病変の大きさ、数、場所、形状、患者さんの希望、費用、簡便性などを考慮して決定されます。日本のガイドラインでは、主に以下の治療法が推奨されています。
 

1. 薬物療法（主にイミキモド 5% クリーム）

外陰部の病変に対しては、イミキモド 5% クリームを用いた治療が推奨されています。
 

• 薬剤: イミキモド 5% クリーム（商品名：ベセルナクリーム 5%）

• 効果: 再発率が低く、瘢痕などの後遺症が残る懸念が少ないという利点があります。

• 使用方法:

  • 疣贅（ゆうぜい）部位に適量を1日1回、週3回、就寝前に塗布します。

  • 起床後に薬剤を石鹸で洗い流します。

  • 使用期間は原則として16週間までとされています。

     

• 注意点: 腟内や子宮腟部には、重篤な粘膜障害の可能性があるため禁忌とされています。

 

2. 外科的療法

薬物療法のほかに、外科的療法も治療の選択肢として行われます。
薬物治療できない粘膜部位や薬物治療で治癒しない病変に対して行うことが多いです。
 

• 切除（外科切除）：病変部を切除する手術です。

• 冷凍療法：病変を凍結させて壊死させる方法です。

• 電気焼灼（しょうしゃく）：電気メスなどで焼き切る方法です。

• レーザー蒸散術（炭酸ガスレーザー）：レーザーを照射して病変を蒸発・除去する方法です。

  • 炭酸ガスレーザーは正確に組織を蒸散させることができ、外科的切除に近い効果が期待されます。創部もきれいに治癒します。

 

当院の尖圭コンジローマに対する炭酸ガスレーザー治療

当院では、尖圭コンジローマに対して炭酸ガスレーザーによる蒸散術および切除術を行っております。局所麻酔のみ日帰りで手術が可能です。痛みはほとんどなく、10～15分程度の時間で治療可能です。
 

当院の炭酸ガスレーザー治療の特徴【Deka社 Smart Xide touch】
手術時間が短く、日帰り可能
周囲組織へのダメージが少ない
傷の治りが早い
傷あとが残りにくい
完治率が高い
保険適応

現時点で最も治療効果が高くかつ早期に治る治療法になります。
※病変の大きさや部位、広がり方によっては複数回の治療が必要になることがあります。
 

治療後のフォローアップと再発防止

視診上は治癒したように見えても、3か月以内に再発することがあります。そのため、治療後3か月間のフォローアップが必要です。
 

HPVワクチンによる再発予防
 

現在、日本国内ではHPV 6型と11型に対する予防効果を持つ4価HPVワクチン（ガーダシル®）および9価HPVワクチン（シルガード®9）の接種が可能です。
 
尖圭コンジローマの治療後にHPVワクチンを接種することで、再発予防の効果も期待されています。