更年期にみられる症状

女性は、一生を通じて体の中のホルモンの状態が大きく変化します。

体の中の女性ホルモンが減少してくる更年期にはさまざまな症状が出現します。

更年期の症状は多彩であり、女性ホルモンの低下だけではなく、性格などの心理的な因子や職場や家族関係の社会的なストレスが関与すると考えられています。

更年期の症状はさまざまで個人差が大きく、症状の感じ方は一人ひとり異なります。

以下の症状を認めていませんか?それはもしかすると更年期の症状かもしれません。

  • ホットフラッシュ(のぼせ、発汗、息切れ、動機)
  • 頭痛、めまい、イライラ、うつ、疲労感、不眠
  • 肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛、しびれ
  • 食欲不振、吐き気、胃もたれ
  • 皮膚や粘膜の乾燥、おりものの異常、かゆみ、のどの渇き
  • 月経の異常、尿失禁、性交痛

更年期自己診断チェックリスト

  • 顔がほてる
  • 汗をかきやすい
  • 腰や手足が冷えやすい
  • 息切れ、動悸がする
  • 寝つきが悪い、または眠りが浅い
  • 起こりやすく、すぐイライラする
  • くよくよしたり、憂鬱になる
  • 頭痛、めまい、吐き気がよくある
  • 疲れやすい
  • 肩こり、腰痛、手足の痛みがある

上記のチェックリストに何個かあてはまる方はは更年期の症状の可能性があります。

更年期を乗り切るための生活習慣

まずは、日々の生活習慣を見直してみましょう。

  • 更年期以降は、骨粗鬆症や高血圧などの生活習慣病のリスクが増加します。カルシウムやたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどのバランスの良い食事を心がけましょう。
  • ウォーキングや筋力トレーニングを継続することも大切です。運動を継続することで体力がつきますし、ストレス発散や睡眠リズムが整ったり、身体的・精神的に良い変化が得られます。

更年期の治療ープラセンタについてー

更年期の治療は、ホルモン補充療法、漢方薬、抗精神薬などがありますが、ここではプラセンタ(ヒト胎盤エキス製剤)について解説します。

  • プラセンタは、ヒトの胎盤から抽出したエキスを使った製剤です。疲労回復や倦怠感、不眠、うつなどの精神症状や肩こり、腰痛などの身体的な症状に効果が期待できます。また、新陳代謝や血行を改善する効果もあり、アンチエイジングとして美容医療でも人気がある治療法です。

プラセンタの歴史

プラセンタは、紀元前400年頃から使用されていたといわれています。有名どころでいうと、古代エジプトのクレオパトラ、楊貴妃、マリーアントワネット、始皇帝も使っていたといわれています。

古くから中国ではプラセンタは、生薬として幅広く使われてきた歴史がありますが、近代的な研究の多くはロシアがルーツであり、現在は日本や海外での研究が進んでいます。

プラセンタの主な効果

プラセンタ製剤のメルスモンは、更年期障害の女性に保険適応がありますので、対象の患者さんは1週間2回程度、1回1本の接種を保険診療で受けることができます。

プラセンタによって改善が期待できる症状

  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 不眠
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 冷え性

プラセンタ製剤の安全性と副作用

プラセンタは製剤をつくる過程で、感染症のない健康なヒトの胎盤のみを使用し、確実な手段で滅菌(高圧蒸気滅菌)されることで既知のウイルスや細菌を不活化しています。実際に、これまで日本でプラセンタが原因とされる感染症の報告はなく、安全な製剤と考えられます。

しかし、以前クロイツフェルトヤコブ病(狂牛病問題)が日本で問題になったときに念のための措置としてヒト由来の胎盤から製造されたプラセンタ製剤を使用した方は、献血ができなくなる制限が設けられました。

  • そのため、プラセンタを使用した方はその後献血がいっさいできなくなります。
  • 臓器移植については原則控える指針がでておりますが、こちらは条件によって解除されます。くわしい条件について、はお問合せください。

プラセンタのよくある質問

どこに注射しますか?

  • 皮下注射なので、どこでもかまいませんが、上腕や腹部や臀部に注射することが多いです。

プラセンタの成分ってなんですか?

  • プラセンタ製剤には胎盤から抽出した良質なアミノ酸が含まれており、それが疲労回復などの効果をきたすと考えられています。

どれだけ続ければいいですか?

  • 更年期の症状は個人差がありますので、人それぞれ違います。ただし、保険で使用する場合はある程度の期間のみに限定されますので、その後治療継続の希望がある方は自費になります。

ほかの薬の飲み合わせは大丈夫ですか・

  • とくに問題になる飲み合わせのお薬はありませんが、服用している薬がある場合は必ず医師にお伝えください。

投稿者プロフィール

坂本人一
坂本人一院長
大学病院で10年以上、診療と研究に従事してきました。産婦人科だけではなく、尿漏れや頻尿などの女性泌尿器疾患、高血圧や脂質異常症などの女性の生活習慣病の予防治療に力を入れています。漢方マニアです。美容医療が趣味で自分にもいろいろ試しています。当院では、自分がやってよかったと思える美容医療だけを厳選して提供してます。なんでもご相談下さい!