トリコモナス膣症の特徴

 
　普段と異なるおりものや異臭のあるおりものを認めます。また、膣や外陰部のかゆみや痛み、性交時や排尿時の痛みや違和感などの自覚症状を認めます。ただし、感染しても症状が出ない場合もあるため、そのまま放置するとパートナーへの感染リスクが高まります。
　おりものが何か変だな？と違和感を感じられたり、かゆみなどの症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
 

感染経路

 
　主な感染経路は**性行為（膣性交）**ですが、トリコモナス原虫は水分のある環境で生存できるため、湿ったタオルや浴槽を介した感染の可能性も稀ではありますが報告されています。
 

トリコモナス膣症の診断方法

当院では、以下の検査を行っています。
 

• おりものの顕微鏡検査
• 膣分泌物PCR検査

 
検査はすぐ終わり、顕微鏡検査は即日、PCR検査は数日程度で結果がわかります。特におりものの変化や不正出血のある方、パートナーが感染している可能性がある方は、早めの検査をお勧めします。
※男性は尿検査になりますが、当院では男性患者の検査・治療は行っておりません。
 

顕微鏡で非常に小さいトリコモナス原虫の存在を確認します。

当院検査データ

 

治療方法

 
　トリコモナス膣症の治療には、フラジール（メトロニダゾール）が用いられます。治療中は以下の点に注意が必要です。
 

• パートナーと一緒に治療を受ける：片方だけ治療すると再感染のリスクがあります。

• アルコールの摂取を控える：治療薬とアルコールの相互作用により、吐き気や頭痛が起こることがあります。

• 治療が完了するまで性交を控える

 

トリコモナス感染症を予防するには？

 

性感染症を防ぐために重要なポイント

• コンドームを正しく使用する（避妊だけでなく感染予防にも有効）
• 特定のパートナーと互いに定期的に検査を受ける
• 定期的な婦人科検診を受ける（年1回のSTI検査を推奨）
• 異常を感じたらすぐに受診する

 

まとめ

 
　トリコモナス膣症は、放置すると慢性的な炎症や不妊の原因となることもあるため、早期発見・治療が重要です。違和感がある場合は、恥ずかしがらずに婦人科を受診しましょう。
 

坂本レディースクリニックでは、プライバシーに配慮した検査・診察を行っていますので、安心してご相談ください。