「ピルは体に合わなかった…」
「血栓症が怖くて使えなかった…」
そんな方に、新しい選択肢として注目されているのが、**エストロゲンを含まないピル(ミニピル)**です。

当院では、2025年に日本で正式に承認されたスリンダ錠に加えて、海外で広く使われている**セラゼッタ(Cerazette)**も、医師の判断のもとで個人輸入し、処方しています。

スリンダ錠とセラゼッタ、どちらもミニピルです

  • スリンダ錠:ドロスピレノン4mg配合。日本国内で承認済みのため、多くのクリニックで処方されています。
  • セラゼッタ:デソゲストレル75μg配合。海外で長年使われているミニピルで、授乳中の方などに使用実績があります(※日本では未承認)。

どちらもエストロゲンを含まず、血栓症リスクの低減が期待でき、従来の低用量ピルが合わなかった方にも選びやすいお薬です。

比較表:スリンダ錠とセラゼッタ

比較項目スリンダ錠セラゼッタ
成分ドロスピレノン4mgデソゲストレル75μg
日本での承認あり(処方医療機関多数)未承認(個人輸入)
排卵抑制強い強い
特徴国内で広く流通・医療機関で処方可能授乳中・エストロゲン禁忌の方に実績あり

授乳中にセラゼッタが使える理由

セラゼッタはエストロゲンを含まず、プロゲスチン(デソゲストレル)単独で避妊効果を発揮する「ミニピル」です。
エストロゲンは母乳の分泌量を減らす可能性があるため、従来の低用量ピル(エストロゲン含有)は授乳中には推奨されません

一方、セラゼッタは欧州医薬品庁(EMA)やWHOでも授乳中の避妊法として推奨されており、実際に多くの国で出産後6週間以降の授乳中の女性に広く使用されています

  • 母乳の質・量への影響が少なく、授乳中の避妊薬としての実績が豊富
  • 赤ちゃんへの影響もごくわずか(ごく微量が母乳中に移行するが安全とされている)

という点が、授乳中に使いやすい理由です。

選べる意義

これまで「ピルが合わなかった」「処方できなかった」という方にも、安全性を考慮して複数の選択肢から自分に合うお薬を選べる時代になりました。
どちらがよいかは体質やライフスタイルによって異なります。医師と相談しながら選びましょう。

当院では、**スリンダ錠(国内承認薬)**に加えて、セラゼッタ(未承認薬)も医師の判断のもとで処方可能です。
ピルに不安がある方も、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

坂本人一
坂本人一院長
大学病院で10年以上、診療と研究に従事してきました。産婦人科だけではなく、尿漏れや頻尿などの女性泌尿器疾患、高血圧や脂質異常症などの女性の生活習慣病の予防治療に力を入れています。アンチエイジング、美容医療、健康マニア。話題の美容医療はだいたい試しています。当院では、自分がやってよかったと思える美容医療だけをお手軽価格で提供してます。なんでもご相談下さい!