開業して1か月とちょっと
お久しぶりです。院長です。
4月23日に開院しまして、だいたい1か月とちょっとが経過しました。
大きなトラブルなく診療が行えているのは、患者さん、スタッフ、業者の皆さんのおかげです。いつも本当にありがとうございます。
あまり病院っぽくない外観で看板も立てていないので、当初誰にも気づかれることのなかった当院ですが
最近では少しずつ口コミを中心に患者さんが増えてきてくれて、いつのまにか診察券の番号も500番を超えていたので、そろそろ追加の診察券の発注を業者さんにお願いしようかと思っているところです。
開業するまではずっと大学病院の勤務医だったのですが、開業してからいろんなことに新たに気づいたことがあります。
一つ目は、婦人科クリニックの外来手術の需要の多さです。婦人科は他の外科系診療科と違って、外来でできる手術が多いという特徴があります。欧米では、診断から小さな手術までクリニック行う診療科をオフィス・ギネコロジーといったりもしますが、大学病院に勤務していたころのように、腹腔鏡手術や癌の手術のように大きな手術はできなくても、これまでと同じように手術の腕を活かせるのはやりがいがありますし、お困りの患者さんを直接治療できるのはありがたいことだと思っています。とくに男の婦人科医は腕がすべてといっても過言ではないので、これからも臨床の技術を磨いて患者さんのお役にたちたいと思います。これからも患者さんとの信頼関係を第一に、診断から治療まで一気通貫した治療を心がけようと改めて思いました。
二つ目は、美容医療に対する潜在的な需要の高さです。加齢とともにお肌の悩みを抱えている女性はとても多く、気にはなっているけど、美容外科や美容皮膚科にいくのはハードルが高くて躊躇していた、美容医療をやってみたいと調べたことはあるけどどこにいけばいいのかわからないと思われている女性はとても多いです。うちは私自身が美容好きなので自分が施術を受けて満足したものや効果があったもの(気になる美容施術があれば、休みの日に都市部の美容クリニックまで遠征したりしてます)だけを半分趣味の範囲で導入して、治療希望の患者さんに施術をしたりしていますが皆さん大変満足して頂いています。長年あったお肌の悩みが改善されてうれしそうにしてくれる患者さんの様子をみて、美容もやりがいあるよねとスタッフとも話し合っています。美容のメニューは今後増やしていきたいと思っていますが、やはり継続していくことが大切です。毎月美容院やエステ、基礎化粧品にかけることのできるコストは人によって異なりますので、結果とコスパを重視した治療を提案して患者さんの満足度をあげていくことが今後のクリニックの課題の一つです。
三つ目は、HPVワクチンに対する印象が世代によって180度異なることです。私はHPVワクチンに詳しい方だと思っていますが、これは開業してみてから初めて気づいたことで、とても意外な結果でした。大学病院に勤務していた時は主に重症な病気の患者さんの治療にあたっており、健康に近い若い方の診療をする機会は少なかったこともありますが、今の若い女性(10代20代)はまったくといっていいほどHPVワクチンに対するネガティブな印象をもっていません。むしろ副反応の騒ぎ?なにそれ状態です。一方で、40代50代のお母さん世代の女性のワクチンに対する印象は【大変な副反応のリスクがあるワクチン】のまま10年間止まっています。キャッチアップ接種のキャンペーンを知っている若い女性も意外に多く、ご自身で調べられて癌が予防できる可能性があるのなら打ってみたいという前向きな意見を持つ若い女性が多い一方で、親に反対されて接種自体を見送っているといった方も多くいらっしゃいました。お母さん世代になぜ接種を見送ってきたのかヒアリングしたところ、「周りで打ってる人がいない」「友達のお母さんたちと相談して接種はやめておくことにした」「よくわからない」といったお話を聞きました。石川県は、全国的にHPVワクチンの接種率が低いです。これは慎重な県民性を反映しているものなのかもしれませんが、逆にまじめな方も多いので、私がワクチンについて説明するとちゃんと最後まで真剣に話を聞いてくれて理解してくれています。キャッチアップの期限も迫っている中で焦りもありますが、この世代間ギャップを埋めていくために、患者さん一人ひとりに直接啓蒙をしていくことが今後ますます重要になってくるのではないかと考えています。
と文章にするとこんなところです。他にも記事にしたいことは山のようにあるのですが、なかなか時間が割けずに更新できずにいて申し訳ありません。
今後も精進してまいりますのでよろしくお願いします。