目次
慢性的なデリケートゾーンの悩みを抱えていませんか?
「硬化性萎縮性苔癬(こうかせいいしゅくせいたいせん)」は、主にデリケートゾーン(外陰部や肛門周囲)の皮膚が白くなり、硬く、薄くなっていく慢性的な皮膚疾患です。
この病気の患者さんは、耐え難い慢性的なかゆみを自覚しています。かゆみは夜間に強くなることが多く、掻きむしることでさらに症状が悪化し、日常生活の質(QOL)を著しく低下させてしまいます。
これまでの標準治療の限界
これまで、硬化性萎縮性苔癬の治療の基本はステロイド外用薬でした。強力なステロイドを継続的に塗ることで、炎症を抑え、かゆみを緩和させることが主な治療目的でした。
しかし、長期間にわたるステロイド使用は皮膚を薄くする(萎縮させる)副作用の懸念があり、さらに、「塗っても塗っても、なかなかかゆみが治まらない」「皮膚の硬化や萎縮が進行してしまう」という、治療の限界に直面する患者さんはも多くいらっしゃいました。
特に、皮膚が硬く線維化してしまった病変部には、外用薬の成分が十分に浸透しにくくなるという問題もありました。
治療のブレイクスルー:CO2フラクショナルレーザーによるターンオーバーを促進
そうした難治性の硬化性萎縮性苔癬に対し、現在、CO2フラクショナルレーザー治療が革命的な治療法として注目されています。当院でも、このレーザー治療によって、長年苦しんできた患者さんの症状が劇的に改善する「著効例」を確認しています。
1. 皮膚の硬化をリセットする
CO2フラクショナルレーザーは、病変部の皮膚にごく微細な熱エネルギーの点(ドット)を照射します。これにより、病的に硬くなってしまった古いコラーゲン線維を破壊し、新しい正常なコラーゲンや組織への再生を促します。
これは、硬化しきった皮膚に「リセットボタン」を押すようなものです。皮膚の硬さが改善し、柔軟性を取り戻すことで、デリケートゾーン特有のつっぱり感や痛みが緩和されます。
2. 薬の浸透を劇的に高める
レーザーによって開けられた微細な穴は、皮膚のバリア機能が一時的に解除された状態になります。このタイミングでステロイドなどの外用薬を使用することで、これまで皮膚の奥まで届きにくかった有効成分が深部にまで浸透するようになり、標準治療の効果を飛躍的に高めます。
論文データ
Michael S. Baggish 2016. Journal of Gynecologic Surgery.
Fractional CO2 Laser Treatment for Vaginal Atrophy and Vulvar Lichen Sclerosus

この研究は硬化性苔癬の診断を受けた患者さん27名の外陰部にレーザーを照射して症状の変化を確認したものです。
- 27名中26名が外陰部の皮膚に明らかな改善効果を認めた。
- 27名中24名が痒みや外陰部のあらゆる不快感や痛みがなくなった。
- 治療後、各患者の外陰部皮膚の色調が健康的なピンク色に変化し、柔らかさが改善した。
当院で硬化性苔癬に対するCo2フラクショナルレーザーを受けた症例の紹介
症例:長年、外陰部の掻痒感(かゆみ)に苦しんでいた女性
主訴:長期にわたる外陰部の耐え難い掻痒感。ステロイド外用薬を塗布し続けても症状が改善せず、日常の生活の質(QOL)が著しく低下している状態でした。
既往歴/治療経緯:複数回の産婦人科・皮膚科受診歴あり。「治癒は難しい」「慢性疾患なので仕方ない」と説明され、ステロイド外用を繰り返すのみで、長期間お悩みでした。
受診動機:ご自身で硬化性萎縮性苔癬を深く調べられ、CO2フラクショナルレーザー(モナリザタッチなど)が有効である可能性をお知りになりました。遠方のクリニック受診を検討していた矢先、当院での導入を知り、ご相談に来院されました。
初診時の所見:外陰部に硬化性萎縮性苔癬に典型的な著しい白色皮膚(萎縮・硬化)と慢性的な掻爬痕を認めました。
治療方針:硬化性萎縮性苔癬と診断し、患者様のご希望もあり即日、CO2フラクショナルレーザー照射を実施しました。
経過と結果:【1回目施術後】 慢性的なかゆみ(掻痒感)はほぼ消失し、患者様より大変ご満足いただけました。【2回目施術後】 症状の完全消失を確認。著しく白く硬化していた外陰部の皮膚は、健康的なピンク色の肌色に戻り、萎縮も改善しました。
特記事項:長年、難治性とされてきた疾患に対し、CO2フラクショナルレーザーが劇的な効果を示した症例です。外陰部の皮膚の回復には、あと数回の照射が必要になる見込みであると判断しておりますが、治療により、つらい症状がよくなり、本当にうれしいとのお声を頂きました。

最後に
硬化性萎縮性苔癬は慢性的な病気であり、治療に難渋することが多いです。保険診療以外にも医学的なエビデンスが豊富で、効果が高い治療がありますので、CO2レーザーによる治療を検討してみてください。長引くかゆみや皮膚の硬化にお悩みの方は、諦めずにぜひ一度、当院までご相談ください。
当日施術も可能です!
投稿者プロフィール

- 院長
- 大学病院で10年以上、診療と研究に従事してきました。産婦人科だけではなく、尿漏れや頻尿などの女性泌尿器疾患、高血圧や脂質異常症などの女性の生活習慣病の予防治療に力を入れています。アンチエイジング、美容医療、健康マニア。話題の美容医療はだいたい試しています。当院では、自分がやってよかったと思える美容医療だけをお手軽価格で提供してます。なんでもご相談下さい!
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