怪我をしたときや体調を崩したとき、なんとなく大きな病院の方が安心で大学病院や大きな基幹病院を受診しがちです。しかし、紹介状なしにいきなり大きな病院を受診すると、通常の医療費に加えて特別料金が加算されてしまうようになったのをご存じでしょうか?これは、専門的な治療を行う大病院に軽傷の患者さんが多数受診することで、本来の大病院の業務に影響が出るを防ぐために、特別料金が加算されるようになったのです。ここでいう大病院とは以下のような病院になります。

  • 特定機能病院
  • 一般病床200床以上の地域医療支援病院
  • 一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関

この特別料金は令和4年10月から増額され、特別料金がかかる大病院の適応も拡大されています。

紹介状なしで大病院を受診した場合令和4年9月まで令和4年10月から
初診料5000円7000円
再診料2500円3000円

この負担金には医療保険が使えない分、純粋に患者さんの自己負担が増えてしまいます。また、病院によっては独自に特別料金を設定している施設もあるため、さらに負担が大きくなる場合もあります。(※緊急性のある疾患や救急搬送などでいきなり大病院での加療が必要な患者さんは大病院受診の正当な理由があるため、特別料金はかかりません)

一方で、200床以下の病院もしくはクリニックを受診した後に、精密検査や治療のために大病院を紹介された場合は、紹介状を作成してもらえますので、この特別料金がかからずスムーズに大病院を受診することができます。この紹介状作成料(診療情報提供料)は2500円かかりますが、こちらは医療保険が適応されますので3割負担の患者さんの負担額は750円になります。

クリニックを受診して紹介状を作成してもらうのは手間に感じるかもしれませんが、自己負担額が少なくなるメリット以外にも多くのメリットがあります。普段から体の不調を相談できるかかりつけのクリニックを持っていれば、これまでの治療経過を踏まえたうえで病歴や体質に合わせた治療を受けることができますし、受診のたびにすべての病歴や内服歴を毎回申告する必要はありません。そして、必要に応じていつでも大病院を紹介してもらうことができます。

健康で快適な毎日を送るためにも、信頼できるクリニックや自分と相性の良いかかりつけ医をみつけることをお勧めします!

投稿者プロフィール

坂本人一
坂本人一院長
大学病院で10年以上、診療と研究に従事してきました。産婦人科だけではなく、尿漏れや頻尿などの女性泌尿器疾患、高血圧や脂質異常症などの女性の生活習慣病の予防治療に力を入れています。漢方マニアです。美容医療が趣味で自分にもいろいろ試しています。当院では、自分がやってよかったと思える美容医療だけを厳選して提供してます。なんでもご相談下さい!