なんでも気軽に聞いてもらってOKです

普段日常診療をしていて、患者さんから「こんなこと誰に相談すればいいのかわからなかった」「こんなこと聞いていいのかわからなかった」「恥ずかしくて誰にも相談できなくて一人で悩んでいた」みたいなことを言われることがよくあります。とくにトイレにかかわる症状は、恥ずかしさもあってなかなか相談が難しいようです。

「トイレに行こうとするんだけど間に合わないことがよくあって、普段は生理用のナプキンをつけるようにしてるけど、漏れないかいつも気になってしまう。」

「もともと出かけることが好きだったのに、最近は尿漏れが気になり外に出るのが億劫になってました。」

このようなおしっこのトラブルが命にかかわることは多くありませんが、生活の質を低下させてしまいます。自分の意図しないタイミングで尿が漏れてしまうということは女性にとってつらい症状ですし、それがきっかけでこれまで楽しめていた趣味や生きがいが奪われてしまうのはかなしいことです。

そういった悩みを抱える女性の多くは、誰にも相談できずになかなか病院に受診できないのが現状です。治療することで症状が改善することも多いので、気になることがあればすぐに受診してほしいと思います。女性泌尿器は男性泌尿器と異なる特徴があり、尿漏れや過活動性膀胱などの症状がでやすいです。とくに女性の膀胱や尿道は、解剖学的に子宮や腟と密接に関係していますので、お互いに影響を及ぼして症状がでることが多いです。そのため、女性の尿トラブルを扱う女性泌尿器科疾患は、婦人科外来での診察ができます。

「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮する必要はありません。うちは婦人科以外にも女性内科や漢方内科も標榜するので、誰がどの病気で受診しているか誰にもわかりませんし、どんな症状でも気軽に相談してほしいです。お困りの方が少しでも気軽に受診してもらえるようなクリニック作りをしたいと思います。

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